sleepflower音盤雑記

洋楽CDについてきわめて主観的に語るブログ。

「The Golden Age of Wireless」Thomas Dolby(1982)

トーマス・ドルビーは、ハワード・ジョーンズと並ぶ80年代を代表するシンセポップアーティストである。しかしそのキャラの表出の仕方は対照的ともいえる。もし「文系シンセ」と「理系シンセ」という表現が許されるのであればハワジョンは前者でありトーマス・…

【この1曲】Ashe O'Hara 「I've Give Up On You」(2014)

先日、TesseracTの通算3作目「Polaris」が日本先行発売という記事がリリースされたがバンド紹介の中の「2枚のアルバム『One』(2011)『Altered State』(2013)でシンガーが安定せず、何度かの交替を経てきた彼らだが、初代ヴォーカリストのダニエル・トンプキ…

「One Love」Blue(2003)

「また紛らわしい名前シリーズかよ」と思う方もいるかもしれないが、私が2000年頃に半分ネタで半分真面目に追っていたのがブルーというボーイズグループである。同じイギリス出身の4人組だしきっとブラー(Blur)ファンからは相当ウザがられてたんじゃないか…

【この1曲】Killswitch Engage「Holy Diver」(「As Daylight Dies:Special Edition」(2007))

今やロックの歴史も半世紀以上となり同姓同名のミュージシャンも当然増えている。私が若い頃はロジャー・テイラーという名前のドラマーがクイーンとデュラン・デュランにいてどちらも人気だった。「カタカナで書くと同じ名前のバンド」の場合と同様、こうい…

【この1曲】TesseracT「Nocturne」(「Altered State」(2013))

英国ミルトン・キーンズ出身のテッセラクト(TesseracT)というdjent/プログレッシブメタルバンドはよくペリフェリーと比較されるバンドのようで以前から気になってはいたのだがなかなか手を出せていなかったのはヴォーカルが作品ごとに違うのでどれから聴…

「Our Favourite Shop」The Style Council(1985)

ポール・ウェラーの経歴において不当に過小評価されているのがスタイル・カウンシル(以下「スタカン」)であることは以前のポール・ウェラーのソロ1stの記事にも書いた。今から思うと確かにジャズとかR&Bとかフレンチポップみたいな既存の「オシャレ」とい…

【この1曲】Steven Wilson 「Hand. Cannot. Erase.」(「Hand. Cannot. Erase.」(2015))

ついでに来週リリース予定のスティーヴン・ウィルソンの新作「Hand. Cannot. Erase.」からのタイトル曲を取り上げてみたいと思う。この曲はキャッチーなメロディーの非常にポップな曲なんだが、何というかものすごくマニックスっぽい曲なんである。パッと思…

「The Raven That Refused to Sing (And Other Stories)」 Steven Wilson(2013)

最近のスティーヴン・ウィルソンはソロ活動が充実しすぎていて、ポーキュパイン・トゥリーを再始動させる予定は今のところ全くないのらしい。「The Incident」から既に5年経過しているから、長年のファンは不安だと思う。でも「Loveless」から「mbv」まで22…

「White Feathers」Kajagoogoo(1983)

今から振り返ると80年代UKバンドの、いわゆる「アイドル」的な扱いをされていたバンドには意外に演奏力がしっかりしている人たちが多かったことに気がつく。特にベーシストに関しては90年代のマンチェスター〜ブリットポップのバンドよりも上手い人が多かっ…

「Read My Lips」 Sophie Ellis-Bextor(2001)

今では純然たるポップス歌手のソフィー・エリス=ベクスターだが、彼女が日本の洋楽ファンに知られるようになったのはインディー・ロックバンドtheaudienceのヴォーカルとしてだったと思う。ブリットポップ後期にデビューしたバンドであるが、同時代の女性ヴ…

「Way Beyond Blue」 Catatonia(1996)

カタカナで書くと同じ表記になるゆえに紛らわしいバンドの筆頭はRushとLushであろう。こういうバンドはお互い音楽性が遠ければ遠いほどインパクトが強くてネタになる。CDを両方持っている人ってわたし以外にいるんだろうか(笑)。今カタトニアというと多分…

「Rhythm of Love」 Kylie Minogue (1990)

カイリー・ミノーグは今やマドンナと並ぶポップ・アイコンであるが、そのキャリアは女優としてのほうが先だった記憶がある。1986年に本国オーストラリアの人気ドラマ「Neighbours」のシャーリーン役で注目を浴び、歌手としては翌年の1987年に「Locomotion」…

【この1曲】Anathema「Untouchable (Part 1&2)」(「Weather Systems」(2012))

今回、本来は「この2曲」なのだがワンセットで聴くべき曲だと思うのでここに取り上げるものである。リヴァプール出身のアナセマ(Anathema)というバンドのことは前々からドゥーム/ゴシック・メタルバンドとして名前だけは知っていたのだが実は先日まで彼…

【この1曲】ABC「The Look of Love」(「The Lexicon of Love」(1982)

洋楽を聴き始めの小学6年~中学1年の頃、いわゆるニューロマンティクスやシンセポップと言われるバンドには随分はまったものである。実際結構流行っていて「ミュージック・ライフ」のような洋楽誌でもデュラン・デュランやアダム&ジ・アンツ、ヒューマン…

「Periphery」Periphery(2010)

ペリフェリーというバンドは全く偶然に、それも音楽と全く関係ないところから知ったバンドである。仕事でperipheryという単語の意味を調べたくてgoogleにかけたら「アメリカ合衆国メリーランド州出身のプログレッシブ・メタルバンド」というのが一番最初に出…

「200 Km/H in the Wrong Lane」t.A.T.u.(2002)

高校時代、なぜかモスクワ放送を聴くことがわたしの周りで流行っていた。当時、ウラジオストクに中継局があったせいかAMラジオでもかなりクリアに聞き取れたのである。旧ソ連時代の放送なのでアメリカの悪口ばかり言っているプロパガンダ的なニュース解説が…

「Whenever You Need Somebody」Rick Astley(1987)

学生時代の一時期、UKロックのトレンドから全く外れていた時期があった。ちょうど大学受験があったというのもあるが、なぜかマドンナや米国R&B(←というか当時ブラック・コンテンポラリーと言われていたもの)を聴いていた。当時スタイル・カウンシル(「The…

「Heaven Up Here」Echo And The Bunnymen(1981)

エコー&ザ・バニーメンはそれまでメタルやらチャート音楽やら手広く聴いていたわたしが中学2年の秋から本格的に英国ニューウェイヴにハマっていたころによく聴いていたバンドの1つである。というか英国NWにハマるきっかけがエコバニ(とU2)だったと言っ…

「In Absentia」 Porcupine Tree(2002)

裏雑記にも書いたがこのポーキュパイン・トゥリーというバンドは前々から気になってはいたものの、名前を知った頃には既にたくさんアルバムが出ていたので最初に何を聴いたらいいのか分からず散々迷ったものである。例えばドリーム・シアターなら「Images an…

「Nobody Else」Take That(1995)

今ワン・ダイレクションというイギリスのボーイズグループが大人気らしい。洋楽人気が低迷しきっている現在の日本でCMにも出演するぐらいなのだから若い世代にはそれなりに人気なのだろう。日本だともう何十年も前からジャニーズ出身のアイドルグループ達が…

「Pyromania」Def Leppard(1983)

デフ・レパードは今ではNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)の代表格のように言われているがデビュー当時からアメリカ市場を意識しているようなところがあった。なんてったって「Hello America」なんてベタな名前の曲があるんである。そのせいか他のN…

「Paul Weller」Paul Weller(1992)

わたしにとってポール・ウェラーはザ・ジャムの時代よりもスタイル・カウンシル時代のほうがなじみがあるのだが、どうもスタイル・カウンシルはザ・ジャムや現在のソロ時代の作品に比べると本国での評価が低いようで残念だ。まあ実際この時代のポール・ウェ…

【この1曲】Japan「Television」(「Adolescent Sex」(1978))

裏雑記等で度々書いているがわたしはジャパンについてはかろうじて「Tin Drum」(1981)からがリアルタイムでデヴィッド・シルヴィアンについてはソロ時代の作品しかCDで持ってない。一般的にはニューロマンティクスの先駆者的イメージが強いジャパンだが初…

【この1曲】Girl「Hollywood Tease」(「Sheer Greed」(1980))

ガール(Girl)というバンドはリアルタイムではなくて個人的には「デフ・レパードのフィル・コリンがいたバンド」というイメージのほうが強い。ついでにヴォーカルのフィリップ・ルイスについても後のLAガンズのイメージが強いので、何だかガールもすごい…

【この1曲】Dream Theater「The Looking Glass」(「Dream Theater」(2013))

ついでにドリーム・シアターの最新作「Dream Theater」からこの「The Looking Glass」という曲を取り上げたいと思う。何でこの曲をわざわざ取り上げるかというとズバリ「ラッシュにそっくり」だからである。元々ドリムシのメンバーはラッシュのファンで前身…

「Images and Words」 Dream Theater(1992)

ドリーム・シアターはいわゆる「プログレッシブ・メタル」の代表格といえるバンドである。当時は「プログレ」というだけで何だかマニアックな響きが感じられたものだが今や「超絶技巧」「変拍子」「転調バリバリ」「曲が長い」「よくわかんないけど変」みた…

「Duran Duran」 Duran Duran(1981)

デュラン・デュランは何だかんだでいろんなアーティストに影響を与えているバンドだと思う。前回取り上げたブラーの「Girls and Boys」におけるベースラインはジョン・テイラーの影響丸出しだったし、マンサンのポール・ドレイパーの歌い方はサイモン・ル・ボ…

「Modern Life Is Rubbish」 Blur(1993)

ブラーと言うと今ではオアシスと並ぶ「ブリットポップの立役者」的な言われ方をされていることが多いと思うが、デビュー当時は「遅れてきたマンチェ」みたいな扱われ方をされていた。おまけになまじメンバーのルックスがいいせいで余計うるさ型のUKロックフ…

「Cupid & Psyche 85」 Scritti Politti(1985)

わたしが中学後半~高校時代ヘビロテ状態で聴いていたのがスタイル・カウンシルとスクリッティ・ポリッティであった。どちらもR&B(←当時はソウルと呼ぶことが多かったと思う)テイストの洗練UKポップという共通項があり両方好きという人は結構多かった…

「Signals」 Rush(1982)

ラッシュ(RUSH)はわたしの長年にわたる洋楽生活における嗜好の方向性を決定づけたバンドであると言っても過言ではない。実際これまで取り上げてきたバンドの大半が「ラッシュに似ている」か「ラッシュと関わりがある」のいずれかである。まあ後出しじゃん…