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sleepflower音盤雑記

洋楽CDについてきわめて主観的に語るブログ。

【この1曲】Journey「Separate Ways(Worlds Apart)」(「Frontiers」(1983))

「Separate Ways」は言わずと知れたジャーニーの代表曲である。WBCのシーズンになるとしょっちゅう番組の中でかかるのでジャーニーを知らない人でもこの曲だけは絶対聴き覚えがあると思う。しかし何でWBCに失恋がテーマの「Separate Ways」なんだろうね?「Don't Stop Believin'」のほうが曲調も歌詞も明るいしスポーツ番組に合ってそうな気がするんだが、冒頭がしっとりと始まる「Don't Stop Believin'」よりアップテンポでギターが大活躍する「Separate Ways」のほうが気持ちがノリノリになれるからなんだろう。この時代のヒット曲はやたらと音が分厚かった。この曲も重厚で力強く聴いているほうも力が湧いてくるような曲である。今から聴くとシンセサイザーがいかにも80年代的だが、キャッチーなメロディーに伸びやかなヴォーカルは普遍的な魅力を持っていて、現在でも主にHM/HR系のミュージシャンたちによるカヴァーが多いのも納得である。

しかしこの曲の真骨頂は実はPVである。何と言っても最強にダサい。今でも「ダサい洋楽PV」と言われて真っ先に上がってしまうようなダサさである。冒頭からエアギターにエアキーボードだったりスティーヴ・ペリーの意味のない連続ドアップがあったり他のメンバー4人が一列に並んでこっちを向いて一斉に口パクしたり、とにかくメンバーが大真面目な顔してキメキメのポーズを繰り出すたびに笑いが止まらなくなってしまう。しかしこのおかしさは言葉だけでは到底表現できないので下の動画を見てほしい。


Journey - Separate Ways (Worlds Apart) - YouTube

向こうでもこのPVが色々ツッコミがいのある内容であることは広く認識されているようで、曲だけでなくPVの内容までそっくりまねっこした動画が何バージョンか存在する(興味ある方はYouTubeで「Separate Ways Remake」等で検索)。しかしこれだけ色んな人が真似したくなるような際立った個性を持ったPV(←我ながら随分美化した表現だな)は80年代ならではであり、90年代以降のバンドは「何かPVで一生懸命頑張っちゃうのって80年代っぽくてダサいしー」と作りも適当なのが面白くない。80年代は全てが過剰で大仰でゴテゴテでダサいのかもしれないが、今の時代が失ってしまった明るさとポジティヴィティーに溢れていて、それがリアルタイムで80年代を経験していない世代の若手ミュージシャン達をも惹きつけるのだろう。下はアスキンことAsking Alexandriaという現在とても人気のメタルコアバンドによるカヴァーである。彼らの年齢を考えるとこの曲は決してリアルタイムではないと思うのだが、変なひねりや茶化しのないストレートで堂々としたカヴァーで非常に好感が持てる。


Asking Alexandria - Separate Ways (Journey cover ...

 でもこの曲はやっぱりあのダサいPVがあってこそなんだよね。曲は最高にカッコイイのにPVは最凶にダサいというギャップが「Separate Ways」の一番の魅力というか多くの人から愛されている(?)点だから。イケメンバンドのイメージのアスキンにそこまでできるかな?あ、でもこの時のヴォーカリストって今脱退しちゃってるんだよね…