sleepflower音盤雑記

洋楽CDについてきわめて主観的に語るブログ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

【この1曲】My Bloody Valentine「Soon」(「Loveless」(1991))

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインと言えば今では90年代初頭に英国インディーロック界を席巻したシューゲイザーの大御所として半ば神格化されたバンドであるが、ライドやラッシュ(Lush)等の同時代のシューゲイザーのバンドたちと一線を画す点があるとすれば…

【この1曲】The Anchoress 「Popular」(2015)

スティーヴン・ウィルソン、アナセマ、テッセラクトと巷のプログレッシブな英国ロックファンのハート(となけなしの財産)をがっちりつかむことにかけて天才的な手腕を発揮し続けるKscopeが今回新たに送り出すのがThe Anchoressなる、ウェールズ出身のCather…

「Wings of Joy」Cranes(1991)

一般的に「ゴスロリ」は日本独自のサブカルチャーと言われているが、その起源をたどれば英国のゴシック文学や「不思議の国のアリス」に行きつくのだからイギリスにゴスロリ的なバンドがあってもおかしくはない。現在日本でも知名度のあるイギリスのゴスロリ…

「Treasure」Cocteau Twins(1984)

今から振り返ると80年代のイギリスにはやたら「耽美」なバンドが多かった。ニューロマンティクスやゴシック・ロック、ポジティブ・パンク等々。当時イギリスでは深刻な経済的不況に苦しんでおり、非現実的な世界に逃避したいという欲求が強かったんだろうと…

「Atlantic」First Signs of Frost(2009)

もっと早い時期に出会っておけばよかったと思うバンドやアーティストは数多い。知らない間にデビューして解散していたOceansizeなどその最たる例だ。ポーキュパイン・トゥリーも私が本格的にはまる頃には活動停止していた。イエスとかジャパンみたいに全盛期…

「Matriarch」Veil of Maya(2015)

昔からよくあることなのだがメンバー(主にヴォーカリスト)交代で音楽性がそれまでとガラリと変わってしまうことがある。古い例ではレインボー(ロニー・ジェイムス・ディオ→グラハム・ボネット→ジョー・リン・ターナー)やウルトラヴォックス(ジョン・フ…

「Guiding Lights」Skyharbor(2014)

従来、米英ロックの世界において「インド」というと大体2種類のイメージがあった。1つはクーラ・シェイカーやインディアン・バイブス等「伝統的なインド音楽に影響されたサイケデリックなロック」である。もう1つはコーナーショップやタルヴィン・シンなど…

「Nowhere」Ride(1990)

個人的には90年代英国モノは94~96年あたりのブリットポップよりもその前の、マッドチェスターやシューゲイザー全盛期の89年~91年あたりのほうが思い入れがある。この時期はその他にもハウスやアシッド・ジャズ、グラウンド・ビート等クラブ系の音楽も充実…

【この1曲】Journey「Separate Ways(Worlds Apart)」(「Frontiers」(1983))

「Separate Ways」は言わずと知れたジャーニーの代表曲である。WBCのシーズンになるとしょっちゅう番組の中でかかるのでジャーニーを知らない人でもこの曲だけは絶対聴き覚えがあると思う。しかし何でWBCに失恋がテーマの「Separate Ways」なんだろうね?「D…

「Angel Dust」Faith No More(1992)

90年代初頭のアメリカのオルタナ/グランジ/ミクスチャーバンドの台頭は今から考えると凄まじい充実ぶりで当時のメディアは全部くまなくフォローするのは大変だったと思う。しかし私の記憶では日本でこの系のバンドを熱心にフォローしていた雑誌は「クロス…

「Spice」Spice Girls(1996)

スパイス・ガールズはイギリスに限らず世界的にもガールズグループとして最も成功したグループである。全盛期の彼女たちの人気というのはそりゃすごかった。何といってもその辺で売ってるポテトチップスのパッケージにまでなっていたんである。しかも各メン…

「The Golden Age of Wireless」Thomas Dolby(1982)

トーマス・ドルビーは、ハワード・ジョーンズと並ぶ80年代を代表するシンセポップアーティストである。しかしそのキャラの表出の仕方は対照的ともいえる。もし「文系シンセ」と「理系シンセ」という表現が許されるのであればハワジョンは前者でありトーマス・…

【この1曲】Ashe O'Hara 「I've Give Up On You」(2014)

先日、TesseracTの通算3作目「Polaris」が日本先行発売という記事がリリースされたがバンド紹介の中の「2枚のアルバム『One』(2011)『Altered State』(2013)でシンガーが安定せず、何度かの交替を経てきた彼らだが、初代ヴォーカリストのダニエル・トンプキ…

「One Love」Blue(2003)

「また紛らわしい名前シリーズかよ」と思う方もいるかもしれないが、私が2000年頃に半分ネタで半分真面目に追っていたのがブルーというボーイズグループである。同じイギリス出身の4人組だしきっとブラー(Blur)ファンからは相当ウザがられてたんじゃないか…

【この1曲】Killswitch Engage「Holy Diver」(「As Daylight Dies:Special Edition」(2007))

今やロックの歴史も半世紀以上となり同姓同名のミュージシャンも当然増えている。私が若い頃はロジャー・テイラーという名前のドラマーがクイーンとデュラン・デュランにいてどちらも人気だった。「カタカナで書くと同じ名前のバンド」の場合と同様、こうい…

【この1曲】TesseracT「Nocturne」(「Altered State」(2013))

英国ミルトン・キーンズ出身のテッセラクト(TesseracT)というdjent/プログレッシブメタルバンドはよくペリフェリーと比較されるバンドのようで以前から気になってはいたのだがなかなか手を出せていなかったのはヴォーカルが作品ごとに違うのでどれから聴…

「Our Favourite Shop」The Style Council(1985)

ポール・ウェラーの経歴において不当に過小評価されているのがスタイル・カウンシル(以下「スタカン」)であることは以前のポール・ウェラーのソロ1stの記事にも書いた。今から思うと確かにジャズとかR&Bとかフレンチポップみたいな既存の「オシャレ」とい…

【この1曲】Steven Wilson 「Hand. Cannot. Erase.」(「Hand. Cannot. Erase.」(2015))

ついでに来週リリース予定のスティーヴン・ウィルソンの新作「Hand. Cannot. Erase.」からのタイトル曲を取り上げてみたいと思う。この曲はキャッチーなメロディーの非常にポップな曲なんだが、何というかものすごくマニックスっぽい曲なんである。パッと思…

「The Raven That Refused to Sing (And Other Stories)」 Steven Wilson(2013)

最近のスティーヴン・ウィルソンはソロ活動が充実しすぎていて、ポーキュパイン・トゥリーを再始動させる予定は今のところ全くないのらしい。「The Incident」から既に5年経過しているから、長年のファンは不安だと思う。でも「Loveless」から「mbv」まで22…

「White Feathers」Kajagoogoo(1983)

今から振り返ると80年代UKバンドの、いわゆる「アイドル」的な扱いをされていたバンドには意外に演奏力がしっかりしている人たちが多かったことに気がつく。特にベーシストに関しては90年代のマンチェスター〜ブリットポップのバンドよりも上手い人が多かっ…