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sleepflower音盤雑記

洋楽CDについてきわめて主観的に語るブログ。

「Ghost in the Machine」The Police(1981)

私が本格的に洋楽オンリーの生活に入る少し前の小学5年生の頃によく聴いていてたバンドがポリスだった。多分バンド名が小学生的にもわかりやすかったんだと思う。当時の音楽誌に載っていた3rdアルバム「ゼニヤッタ・モンダッタZenyatta Mondatta)」の広告が妙に気になっていたものだ。全員金髪というのもインパクトがあったし「銭やったもんだった」みたいなタイトルも面白かった。しかし何しろ当時全くお金のない小学生であったので、FM番組のポリス特集みたいなのを探してエアチェックするぐらいの事しかできなかった。ちなみにちょうどこの時期に彼らは初来日を果たしているのであるが前々から注目度の高いバンドだったようでテレビ放映があった記憶がある。当時テレビ音源をライン録音する手段も知恵もなかったのでテレビの前にラジカセをおいて無理やり音を拾ったものだ。3人組でメンバーのキャラも立っていたから彼らの漫画を描いたこともある。しかしポリス漫画を描く小学生って今から考えるとかなり不気味ではないだろうか。余談だが当時住んでいた家の近くのレコード屋ではポリスとThe Jamが一緒のコーナーにされていたのでThe Jamというバンドも名前だけはこの時期に覚えたものだ。後にちゃんとThe Jamを聴くようになるのは何年もたってからである。今から思うと何故この2バンドが一緒にされたのかよくわからない。英国出身の3人組ということぐらいしか共通点がないと思うのだが(しかもスチュワート・コープランドはアメリカ人だし)。ポリスが独特なのは出発点こそパンクでありながら、ジャズ・レゲエ・プログレとそれまでのメンバーたちのバックグラウンドが融合した、他のどのバンドとも異なる、聴けばポリスとすぐわかるスタイルを早いうちから確立していたところだと思う。80年代のラッシュがそれまでの大作路線を離れ「Signals」ではポリスを彷彿とさせるレゲエのエッセンスを取り入れたニューウェイブに寄せた音作りで話題となったが、それだけ当時のポリスの他バンドに対する影響力も絶大だったということだろう。

Ghost in the Machine (Dig)

Ghost in the Machine (Dig)

 

 「Ghost in the Machine」はポリスの4thアルバムである。現在では前3枚および5th「Synchronicity」に比べて少々地味な扱いをされている作品であるが全英1位全米2位と前3枚を上回るチャート実績を残している。私がポリスを好きになってから間もなくリリースされたので、とりわけこのアルバムが思い出深い。メンバーの顔を電卓でよく見るセグメントディスプレイで表現したジャケットも小学生的には面白かった。アルバムタイトルといいジャケットといい、また収録曲の「Spirits in the Material World」「Too Much Information」「Rehumanize Yourself」といった曲名からしても現代社会に対する批判がこの作品のメインテーマと思われ実際にダークで内省的な曲が多い。例外はシングルにもなった「Every Little Thing She Does is Magic」で、個人的には彼らの代表曲「Every Breath You Take(見つめていたい)」よりも断然好きである。現在このアルバムがやや過小評価気味なのはこの後の「Synchronicity」が派手な曲が多いからなのと、このアルバムの持つメッセージ性が、後に社会活動家としても活躍することになるスティングのキャラクターと結び付けられてどこか説教臭く感じさせるものになっているからかもしれない。大体初期の頃のパンキッシュなノリがあったからこそポリスなんて名前も面白かったのに本当に警官っぽく生真面目になっちゃったら胡散臭いだけではないか。しかし音的にはキーボードやホーンがフィーチュアされ前3作よりも世界観の広がった成熟した音作りをしており、この辺は本作のプロデュースを手掛けたヒュー・パジャムの功績なんだろうと思う。一回聴いて良さがわかるというよりはやはり繰り返し聴くごとによさのわかるタイプのアルバムで、後追いでポリスを聴く人にも無視しないでほしいアルバムである(というかポリスは全部揃えたほうが良いんだけど)。

それにしてもこのジャケットの三人、誰が誰だかわからないな。真ん中はどうせスティングなんだろうけど特に左側は何の特徴もなくてかわいそうだ。Wikipediaによると左はアンディ・サマーズらしい。アンディってそんなに特徴ないですかね?